久々に観てみた。 10
第1話 「eve」
第2話 「upon a time」
第3話 「paradox」
第4話 「honesty」
第5話 「outline」
第6話 「rain」
第7話 「I...」
第8話 「clear colour」
第9話 「forget me not」
第10話 「I'm here」
第11話 「ever forever」
第12話 「love/dream」
僕はずっと思っていた。
いつか自分が特別な人間であると言われる事件があると。
いつか、自分には才能があると認められる何かが見つかると。
ずっと昔から僕の頭の中には、お姫様を守り、幾多の戦いを乗り越えるナイトになった僕がいた。
でも…
「そうなるには間に合わなかったな。
どうしよっかな。」
そこは僕のお気に入りの場所だった。
静かで人の来ない無人駅は、一人で本を読むのに最適だった。
だけど、今日は先客がいた。
「この駅、電車は来ないよ。」
「え?」
「ごめん、何でもない。
それじゃ。」
「うん。」
僕が彼女に初めて会った日の事だ。
それは、四十五秒未満の邂逅だった。
二人は再会し、たゆとう時が動き始める。
忘れたくない想い、ありますか?
「私と、友達になっていただけませんか?」
「友…達?」
「嫌ですか?」
「またね。」
「はい。」
「おかえり、千尋。
楽しかったかい?」
「はい、すごく楽しかったです。」
「無理はしないようにね。
それと…」
「それと、深入りしないように。
深入りさせないように。
火村さん、私の事を誰かに話しては駄目でしょうか。」
「千尋が決めた事なら反対はしない。
俺個人の意見なら、賛成はしない。」
「そうですよね。
私は間違いを犯しても、後悔すら出来ませんから。」
私の想いは、あの人の想いとすれ違う。
忘れたくない想い、ありますか?
昨日の私から、今日の私へ。
あなたは13時間で記憶を失います。
4年前に遭った、交通事故の影響です。
残念ながら、左目も失いました。
そういった事があったという、事実だけ受け止めて下さい。
ここに、あなたが生きていく上で必要な事を書いておきます。
一つ目。
この日記帳は、毎朝必ず読み返して下さい。
これがあなたの記憶です。
あなたの全てがここにあります。
二つ目。
必ず日記を残して下さい。
その日の行動・会話・医療記録等、出来る限り正確に残して下さい。
届けたい想い、物語に託して。
忘れたくない想い、ありますか?
あの頃の俺は、人が親しく接する事を、理解できないでいた。
あの頃の私は、人が一人でいることが、理解できなかった。
「ね、千尋、行こうよ。」
「うん。」
『あーそーぼー。』
「行こう。」
「行くって、何処に?」
「あたしんち。」
「ちょっと待ってよ。」
その小さな出会いが、俺の歩む道を大きく変えてくれた。
その楽しかった時間が、ずっと続くって信じていた。
でも…
紡がれたそれは、淋しさの物語。
忘れたくない想い、ありますか?
いつから私は、この円の外に出る事を諦めたのだろう。
それすらも覚えていない。
「本当に、外に出られるの?」
「ごめんね、書き上げてあげるから。」
不安も、恐れも、時の雨が流し去る。
忘れたくない想い、ありますか?
「貴女の存在を、消してみせる。」
届いて欲しいのは、言葉じゃなくて、あたし。
忘れたくない想い、ありますか?
女の子は世界に一人。
だから彼女は神様だ。
物心が付いた時にはそこにいた。
他には誰もいなかった。
何もする事がなかった。
それが世界の全てだった。
色の無い色、それは純粋で冷たい。
忘れたくない想い、ありますか?
『消去しました』
「お兄ちゃん…」
「広野君、いないの?
広野君!」
「あら、宮村先輩。
何の用ですか?」
「何って、広野君は?」
「お兄ちゃんは、今寝てますから、静かにしてもらえますか?」
「ちょっと会わせて。
大事な話があるの。
広野君に会わせて。」
「もう、届かないよ。」
「え?」
「私が届かせない。
私が、いつもお兄ちゃんの傍にいるから。
もう、終わったの。」
辛さを知らないのは、もっと辛い悲劇。
忘れたくない想い、ありますか?
「はい、広野です。
もしもし?
みやこか?」
「当たり。」
「消えてないんだ。」
「え?」
「あたし、まだ、消えてなかったんだ。」
「みやこ。」
私を探して、そして、連れて帰って。
忘れたくない想い、ありますか?
「やっぱり思った通りだった。」
「何が?」
「広野君はあたしを、大事にしてくれる人だね。」
「何だよ、それ。」
「あたしはもう、あたしを大事にしてくれる人としか関わりたくないの。
そうでないなら、一人でいる方がいい。」
「みやこ。」
「もう誰かの心から消えるのは嫌。
それだったら、初めから出会わないほうがいい。」
「あたし、ここにいていいのかな?」
「ああ。」
「どんな時でも、あたしだけ見ててくれる?」
「ああ。」
「あたしはもう、大事なものを手放したくない。」
消えることのない記憶に、私を刻んで。
忘れたくない想い、ありますか?
終わる季節、始まりの時。
忘れたくない想い、ありますか?
昨日の私から、明日の私へ。
昨日のページがなくなってる事は気にしないで下さい。
書き間違えたので、破って捨てただけです。
決して不幸な事があったわけではありません。
むしろ幸せでした。
私にはとてもふさわしくない幸せでした。
なので、これは書き間違いなのです。
最初から無かった事なのです。
ですから、破り捨てました。
気にせず、今までと同じ毎日を続けて下さい。
それと、麻生蓮治さんという人とは、今後関わらない様にして下さい。
彼にとっても、あなたにとっても、不幸を招く事になります。
明日の私へ。
昨日の私より。
誰もが、一度は神に祈った事があると思う。
例え何も信じていなくても、真っ直ぐな心で祈りを捧げる日が、いつか必ずやって来る。
誰もが探している物、誰もが求めている物、巡る想いと、人々の絆が作り出す、その先にあるそれは…
忘れたくない想いに願いを込めて…
観終わった。
全話ぶっ通し。
「ef - a tale of melodies.」の前に、もう一度観てみた。
とか言いながら、なかなか観ないのはわかっている。
全体的な雰囲気は好きだが、韓国ドラマの匂いを感じるのは俺だけだろうか。
観た覚書 110日目
次は何観ようか。
時間がない。