新しく観てみた。 16-1

・D.C.II S.S. 〜ダ・カーポII セカンドシーズン〜

第１話　　「深雪の如く」
第２話　　「雪の密室」
第３話　　「正義の魔法使い」
第４話　　「幸せの形」

深々と、雪が降っていた。
驚くほどゆったりと、音も無く。
それは、とても綺麗で
呆れる位に、とても綺麗で
独りぼっちで
ただ震えることしか出来なくて
淋しくて
どうしようもなく途方に暮れていた僕でさえ、見惚れてしまう位。
だから、きっとこれは夢なんだと思った。
真っ白な夢。
夢のような夢。
いつか覚めてしまうのがわかっているのに、それでも夢見る事を夢見てしまう。
新しい予感に、胸を膨らませるような
陽だまりの中で、ふと涙を零してしまうような
冬の最中に、春の訪れを待ち望むような
そんな、始まりを告げる、夢の始まり。

深々と、舞い落ちる桜の中で、夢を見ている。
温かな夢。
幸せな記憶。
大切な思い出。
例えばそれは、来たるべきお祭りの準備に浮かれる風景。
子供達の笑顔。
喧騒。
その中にいるだけで、悲しみを忘れられる。
笑顔でいられる。
この時間が、いつまでも続けばいいのに。
それは、叶わない望みだとわかっているけど、でも、心からそう願ってしまう。

夢が始まった日。
それは幸せの始まった日。
舞い落ちる桜の花びらと粉雪。
小さな笑顔。
寒さに震えた体。
その体を、ぎゅっと抱き締めたいと思った。
でも、それは出来なくて、ただ手を引く事しか出来なくて、それでも、その日常が幸せだったと言える。
胸を張って、幸せだったと。

雪、白い雪。
厚い雲のかかった空から、ゆっくりと舞い落ちる。
イルミネーションに彩られた街並みを染め上げていく。
ホワイトクリスマス。
空を見上げ、喜びの表情を浮かべる子供達。
これはきっと、幸せな風景で、こんな幸せが、いつまでも続いて欲しいと思ったから、僕は…

今この辺。